社労士実務 賃金台帳、出勤簿等について
社会保険労務士の実務では、賃金台帳、出勤簿、
タイムカード等を熟知していないといけませんが、もちろん、
最初は慣れていないのでよくわかりません。
そこで、ここではそれらの書類に接するときの注意点を
申しあげたいなと思います。
社労士実務 賃金台帳、出勤簿等について
まず最初に注意すべきは、企業の担当者や
各労働者が作った賃金台帳、出勤簿、タイムカード等は、
基本的に信じてはいけないということです。
どういうことかと言うと、それがそのまま客観的な実態を表して
いるかは、作った本人じゃないとわからないということです。
なので、実務にあたるときは、その企業のこれらの書類に
ついて、いったい誰が作っているのか、また書いてある事項は
どういう意味を持って作られているのかを確認しなければ
なりません。
が!
ここでやってしまいがちになるのは、わからないことが
出てきたら、安易に電話して聞いてしまうことです。
ちょっとわかりにくいので例を出すと、
例えば、賃金台帳を見たところ、残業代を払っていたと
すると、残業代の単価を計算したけど、「月の所定
労働日数」がわからなかったとします。
この場合、私の事務所では、安易に聞かず、
まず電卓やエクセルを使って考えられるあらゆる
計算プロセスを考え、検証していきます。
もちろん、その本人だけでなく、他の従業員の計算法も
参考にします。
そうして、
「確実にこれは、所定が月23日だ」
とわかれば事業所には聞きません。
100%でないなら、
「確認したいのですが23日で計算していますか?」
と聞きます。
そのように、必ずこちらが担当者になった気分で
その計算法や書いてある数字の意味を推測し、
その後で裏を取るのです。
そうすれば、相手の労力が減りますので、
喜ばれます。
逆にそういった労力を惜しんで逐一確認すると、
結構いやがられたりするので注意が必要です。
まずは、プロとして担当者がどういう意味づけを
しながらやっているのかを見破ることが第一です。
次に、企業規模や担当者によっては、
とても「なんとなく」こういった書類を整備して
います。
なので、アンビリーバブルな処理をしていることが
多いです。
例えば、「退職金」が給与の手当として入っていて、
雇用保険料がかかっていたり、さじ加減で支給すべき
ものを支給していなかったり、いい加減なケースも少なくない
です。
また、このあたりも「それが合っている」と鵜呑みに
せずに見抜いて、教えてあげないといけません。
「企業が作った書類は信じるな」
は、大切なマインドセットなので覚えておいてください。
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